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膠原病内科

挨拶

井田 弘明近年、関節リウマチは生物学的製剤の出現によって、治療は革命的時代に入り、効果が実感できるようになってきました。その他の膠原病は、慢性で難治性疾患が多いですが、希少な症例を診られるのも魅力です。大学ならではの最先端の治療を行っています。現在も、久留米大学病院と久留米大学医療センターのリウマチ・膠原病センター(福田孝昭教授)と協同で筑後地域医療を支えています。膠原病研究の魅力についてでは、私は「自己炎症症候群」という分野の研究を行っています。繰り返す全身性の炎症を来す疾患で、多くは発熱がみられ、関節・皮膚・腸・眼などの部位の炎症を伴います。6年前私は、SLE合併TNF-associated periodic syndrome(TRAPS)患者を本邦で初めて発見しました。また、最近、昭和14年から本邦にのみ報告されている中條-西村症候群(常染色体劣性遺伝、反復する高熱、リポジストロフィー、肥大性骨骨膜症、凍瘡様皮疹、大脳基底核石灰化)の疾患遺伝子を同定し、その遺伝子のコード蛋白異常が原因であることも証明しました。これらの疾患は、大変まれな疾患ですが、その研究から病気にまつわる大きなことがわかってきています。

臨床と関係ある医学研究、いわゆる「ベッドからベンチへ」そしてその成果を「ベンチからベッドへ」還元できたら医者として本望と思います。病気を解明する、病気を治す薬を見つける、そういった夢を見ませんか。その気持ちが少しでも残っているのなら、研究も一度はやるべきだと思います。
将来皆さんと一緒に臨床・研究できれば幸せです。興味がある方はご連絡ください。

臨床

症例数は豊富で特に関節リウマチ診療に関しては、久留米大学医療センター リウマチ・膠原病センター(福田孝昭教授)は九州でも有数の患者数を有し、積極的に生物学的製剤の導入を行っており、貴重な臨床経験を積むことができます。久留米大学病院では関節リウマチや他の膠原病疾患が中心となりますが、症例数も多く、また病変が多臓器に及び、全身を診ることが要求されるため、多様な臨床経験を積むことができます。
我々は原因不明の周期熱および慢性の炎症を繰り返す症例に関して、従来の自己免疫性疾患の概念にあてはまらない、自己炎症症候群の存在に注目しています。繰り返す全身性の炎症を来し、多くは発熱および関節・皮膚・眼病変を伴い、症状としては膠原病に類似しますが自己抗体は検出されず、自己免疫学的機序に乏しい特徴を有します。井田弘明教授は自己炎症症候群診療・研究の日本におけるリーダー的存在です。自然免疫の先天異常に起因することが明らかになっており、疾患遺伝子の同定で診断可能、当科で精査可能です。

教育

臨床研修

当グループでの前期研修の主な内容は他グループと同様、入院患者の担当医として診療に従事すること、カンファレンスに出席し個々の症例についてdiscussionを行うこと、外来患者の予診を行い、できるだけ多くの症例を経験することです。
診察上、膠原病に伴う皮膚病変などを特徴的な他覚所見を正確に診断することが目標です。また、他覚的所見だけでなく、患者さんの血液中に存在する自己抗体や免疫応答の主要な成分(補体や免疫複合体など)の存在を的確に評価し、臓器病変を来す免疫異常の病態を十分理解することが求められます。

毎週火曜日に行われる症例カンファランスにおいて自己抗体や皮膚所見など膠原病診療にあたり最低限知っておくべきことは毎回15分程度のmini lectureを勉強します。
治療に関しては、ステロイド剤や免疫抑制剤の導入や用量の調節について学びます。また重症病態合併症例の場合、血漿交換療法や大量ガンマグロブリン療法、生物学的製剤を用いた分子標的治療の導入を検討し、その必要性について学びます。

基礎研究

基礎研究なぜ免疫システムが破綻し、かくも多彩な病態を形成するのか?解明されていないことは驚くほど多く、患者さんは皆自らを苦しめる病気の原因を知りたいと思い、そして根治につながる治療法の確立を切望しています。井田准教授が長崎大学より赴任され、研究室が立ち上がり、臨床に並行して基礎研究にも力を入れています。基礎的な実験手技は、約3年間のアメリカ留学(基礎研究)から帰学した海江田助教と寺崎梢実験助手が直接指導します。

基礎研究膠原病疾患診療に際して病態を適切に把握するため、免疫学の勉強は避けて通れません。基礎研究をとおして、免疫を学び、そして英語論文を読み最新の知識を習得する習慣が身につきます。2013年から日高由紀子先生が大学院生として加わり、研究室も活気づいています。アメリカリウマチ学会(ACR)にも3年連続で演題が採択され、また日本リウマチ学会総会(JCR)でもコンスタントに発表しています。貴重な症例は九州リウマチ学会で発表し、必ず英文誌に症例報告を投稿するよう指導しています。

希望に応じて基礎研究や国内留学(順天堂大学膠原病内科長崎大学第1内科)、学位取得後の海外留学も対応可能です。

研究内容

  • 遺伝性自己炎症症候群解析結果を利用した関節リウマチ病態に関する基礎研究
  • プロテアソーム機能不全症における慢性炎症の解析
  • iPS細胞を用いた遺伝性自己炎症症候群の病態解析
  • 関節炎および間質性肺炎におけるmast cellの機能解析
  • 膠原病患者全血細胞における炎症性サイトカインの遺伝子発現解析
  • 間質性肺炎合併皮膚筋炎/多発性筋炎患者における抗アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)抗体の発現および重症度との相関解析

呼吸器グループに負けないよう、業績も増えてきました。
我々の行う基礎研究が医学の発展に寄与し、そして成果を社会に、なにより病で苦しむ患者さんに還元することが目標です。熱意ある若い先生方が自己免疫に興味をもたれ、私たちのグループに参加していただけることを希望します。

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