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症例3

【症例】 88歳 女性

【主訴】
皮疹、食欲低下、四肢浮腫、嚥下機能障害          

【現病歴】        
20XX年1月3日頃より腰部の皮疹が出現し、潰瘍化したためM皮膚科を受診した。外用治療を行われたが手指の出血、皮疹の体全体への拡大を認めたため当院皮膚科を紹介受診した。2月より顔面浮腫、上下肢筋力低下が出現し当科紹介となった。2月中旬より四肢腫脹も出現し、精査・加療目的に入院となった。

【既往歴】
2008年:悪性リンパ腫、2015年:子宮体癌

【生活社会歴】飲酒歴・喫煙歴なし          

【家族歴】
父:脳出血、姉:心筋梗塞、姉:胃癌、兄:心疾患、息子:2型糖尿病

【入院時現症】
身長:155 cm, 体重:52 kg, BT:36.8℃, BP:127/64mmHg, HR:81bpm RR:16/分, SpO2:97%(room air)

外来に来たときの手の写真を示す。鑑別疾患に何を考えてどうのように検査を進めますか?また、どういう所見に注意して診察しますか?

[身体所見]
皮膚所見では、 Gottron徴候(+)、Mechanic's hands(-)、逆Gottron徴候(±)、手掌紅斑(-)、爪周囲紅斑(+)、爪上皮出血点(+)、体幹部・四肢の浮腫性紅斑(+)、Vネック徴候(+)、ショールサイン(+)。 両側大腿四頭筋痛があり、Gowers徴候が陽性。 MMT: 頸部屈筋 3、三角筋 3/3、上腕二頭筋 4/4、上腕三頭筋 4/4、 橈側・尺側手根屈筋(手関節屈曲) 4/5、尺側・長・短橈側手根伸筋(手関節伸展)5/5、 腸腰筋 3/3、大腿四頭筋 4/4、大腿屈筋群 5/5、 腓腹筋・ヒラメ筋(足関節底屈) 5/5、前脛骨筋(足関節背屈) 5/5

[血液検査]
[CBC]RBC 4.24×10^4 /μL, Hb 12.8 g/dL, Ht 38.5%, MCV 90.8 fL, WBC 7400/μL(桿状核球 1.5%, 分葉核球 80.0%, リンパ球 7.5%, 好酸球 1.5%, 好塩基球 0%), Plt 22.7×10^3 /μL [生化学・電解質]AST 108 U/L, ALT 46 U/L, LD 475 U/L, ALP 177 U/L, γ-GT 18 U/L, BUN 20.0 mg/dL, Cre 0.46 mg/dL, eGFR 92.8 mL/min./1.73㎡, Na 141 mmol/L, K 4.2 mmol/L, Cl 104 mmol/L, CRP 0.43 mg/dL, CK 2316 U/L, アルドラーゼ 17.1 U/L,血清ミオグロビン 960 ng/mL,T.Pro 5.28 g/dL, Alb 2.88 g/dL, TG 72 mg/dL, IgG 1033 mg/dL, IgA 123 mg/dl, IgM 290 mg/dl,CEA 2.0 ng/mL,CA19-9 18.4 U/mL,CA125 11.8 U/mL,KL-6 201 U/mL

[免疫]
抗核抗体定量 <40 倍, 抗SS-A/Ro抗体 (-), 抗SS-B/La抗体 (-), 抗U1-RNP抗体 (-), RF <1 IU/mL, C3 101 mg/dL, C4 19 mg/dL, 抗ARS抗体 (-),抗MDA5抗体 (-)、

入院後経過・考察 診断:
抗TIF1-γ抗体陽性皮膚筋炎 入院時近位筋優位の筋力低下、筋痛、筋疲労感を認め、皮膚には両側手指Gottron徴候、爪周囲紅斑、爪周囲出血点、Vネック徴候、ショールサイン、体幹の紅斑を認め、CRP軽度上昇、筋原性酵素の上昇を認め、さらに抗TIF1-γ抗体 130 INDEXと高値であり、Bohan and Peter診断基準および厚生労働省診断基準を満たし#1と診断した。悪性腫瘍に関しては既往歴として悪性リンパ腫、子宮体癌があり、再発の所見は認められなかった。悪性腫瘍は明らかではなく2月24日よりプレドニゾロン(PSL)30mg/日を開始し、減量していく過程で再増悪したため、タクロリムス(TAC)1.5mg/日を併用し安定した時点で転院とした。

新着情報

2018.05.23

6月21日(木)パーキンソン病学術講演会 in 久留米 のご案内

6月21日(木)19:30~ 萃香園ホテル 2階 鶴の間 にて開催されます。



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